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天職実現の道はトライ&エラーの道

日没にカヤック

天職(*)と聞くと一生をかけて打ち込む「職業」という印象を持たれるかもしれませんが、必ずしもそれが全員に当てはまる訳ではありません。天職は人生を通じて変わると天職研究者は指摘しています。また、お母さん、主婦、ボランティア業が天職である人もいます。

 

哲学者故Michael Novak氏は、天職は私たちの能力にフィットしたものであり、その才能とは、トライアンドエラーを返し、時間と労力をかけて発見されると述べています。そして、天職は一人一人オリジナルであると指摘しています。

 

ですので、自分の天職を見つけようと世の中に存在する既存の職業の中から天職と思える職業を探そうとするとまず見つかりません。

みなさんは、これまでの人生で進学先や就職先を決める際、どこまで自分の心の声に耳を傾けて決断されてきたでしょうか?

Bentley大学のJoseph Weiss教授等は、次のように論文(*2)で述べています。

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晴れて、ヘッドハンティングであなたの希望する報酬やキャリアアップが得られました。その時、あなたは心から満たされた感を感じるでしょうか?こう自分に問いかけたくなりませんか?

 

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「この仕事をする私は一体誰なんだろう?この仕事を通じて、私がこの地球に生まれてきた意味や目的が果たせるのだろうか?」

​「神さまが私に与えて下さった天賦の才能や素質をこの仕事で私は使えるのだろうか?」

​「この仕事をしている私は、本来の私?」

​「経済的には幸せだろうけど、スピリチュアル的に私は幸せ?」

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天職につくということは、あなたが誰であるかを知り、あなたがあなたの人生を全うするということです。

自分の天賦の才能は何か、自分は何にやりがいを感じ、この人生で全うしたいことは何かを知るには、ほとんどの方は、トライ&エラーを繰り返さないとわかりません。

 

そのトライは、今、行動に移せる自分の心が本当にやりたいと思っている「仕事」、「タスク」、「プロジェクト」、「学び(学校、留学、習い事)」、「挑戦(一人旅、コンペティション参加など)」です。

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​心の声に従ってやった仕事やタスクの積み上げの結果、「これをやるために生まれてきた」と思えるような仕事に行き着きます。

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実は​このトライ&エラーのプロセスが、最終的に天職と思える仕事に行き着くことよりも大切で、自分で自分の人生の舵をとっている感覚があり、天職に着く前から、意義深くエキサイティングな人生を送ることができます。

とはいえ、時には、そのトライが怖いと思ったり、心の声に従っているのか確信がもてなかったりして、二の足を踏む方がいらっしゃると思います。私は、世界の天職研究事例をご紹介しながら、そのトライを応援し、みなさんがより不安なく、むしろ楽しく天職への道を進むことを応援したいと思っています。

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​※「天職」とは英語ではCallingと言います。Callingは、欧米の研究者では「それをしている自分が最も自分らしくいられ/最も幸福であり/他人と自分を比べることもなく/他のどんな仕事よりも社会や人の役に立っていると感じられる仕事」と定義されており、私もこの考え方に基づいて天職と言っています。

※2 出典:Joseph W. Weiss, Michael F. Skelley, Douglas (Tim) Hall and John C. Haughey, S.J. (2003)”Calling, New Careers and Spirituality A Reflective Perspective for Organizational Leaders and Professionals”

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