日本では晩婚化・非婚化が進んでいますが、多くの人が結婚を望んでいるにもかかわらず、実現できていないという現実があります。東京大学社会科学研究所の調査によると、未婚者の大多数が結婚を希望しているものの、9年間の追跡調査で実際に結婚したのは半数以下でした。
結婚願望の実態
未婚者の約75%が結婚を希望
そのうち約半数が「絶対に結婚したい」と回答
「結婚したくない」と答えたのはわずか3%以下
にもかかわらず、この調査に回答した方で実際に結婚に至った人の割合は半数にも満たない
という実態になっています。研究によると、結婚しない主な理由は以下の3つのパターンに分類されます:
結婚の拒絶(Rejection of Marriage)経済的に自立している女性や、高い教育水準を持つ人々の間で「結婚は必要ない」という意識が見られます。ただし、この理由を挙げる人は全体のわずか5%に過ぎません。
結婚の実現が難しい(Failure to Realize Marriage Desires)多くの人が「結婚したい」と望んでいる一方で、経済的不安定や適切なパートナーが見つからないことが障壁となっています。
自然に独身を選ぶ(Unplanned Drifting into Singlehood)明確に結婚を拒むわけではないものの、仕事や趣味に没頭する中で結婚を真剣に考えないまま独身のまま進んでしまうケースです。このパターンは最も多く、独身者の約2/3が該当します。
30代から50代の独身者にとっての課題
この年代では、「結婚への意欲はあるが、どう行動すればよいかわからない」という悩みが多いようです。特に以下の点が課題として挙げられます:
社会的なプレッシャーの減少:結婚が「当たり前」という意識が薄れ、自分のペースで動くことが当たり前になっています。
出会いの場の不足:仕事や日常生活で新たな人との接点を持つことが難しい。
経済的不安:特に男性は「家族を支えるだけの収入が必要だ」というプレッシャーを感じることが多い。
結婚を望む人へのTips
自己分析を行う:自分が本当に結婚したいのか、どんなパートナーを求めているのかを明確にしましょう。
積極的に行動する:出会いの機会を増やすため、趣味のサークルやマッチングアプリなどを活用しましょう。
経済面の準備:安定した収入や貯蓄を確保し、結婚生活に備えましょう。
コミュニケーション能力を磨く:良好な人間関係を築くスキルを向上させましょう。
柔軟な姿勢を持つ:理想像にこだわりすぎず、相手の良さを見つける努力をしましょう。
健康管理:心身ともに健康であることは、魅力的に見えるだけでなく、良好な関係構築にも役立ちます。
ライフプランを考える:結婚後の生活や将来のビジョンを具体的に描いてみましょう。
専門家のアドバイスを受ける:必要に応じて、結婚相談所やカウンセラーなどの専門家に相談してみるのも良いでしょう。
【参考論文】「Marriage intentions, desires, and pathways to later and less marriage in Japan」詳細はこちら
Comments